某君
ぼうくん
名詞
標準
文例 · 用例
この辺で高頭君は、歩度測量計を失くしてしまい、私たち一同人夫と共に、附近の偃松を捜索したが、見当らずにしまった(後にこの歩度メートルは、登山家某君に発見せられて、上高地温泉宿に委托せられ、無事に持主の手に戻った)。
— 小島烏水 『槍ヶ岳第三回登山』 青空文庫
山中に朽木の独木橋を渡り、アワヤ谷底へ真逆様にならんとせしは某君。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
教授が池を見おろしながら、小使いの某君と話していた。
— 寺田寅彦 『池』 青空文庫
冬の最中のある日に観測中に某君が誤って水中に落ち、そのために病気を起こした事もあった。
— 寺田寅彦 『池』 青空文庫
沢は、隔てなく身の上さへ話したが、しかし、十有余年崇拝する、都の文学者|某君の許へ、宿望の入門が叶つて、其のために急いで上京する次第は、何故か、天機を洩らすと云ふやうにも思はれるし、又余り縁遠い、そんな事は分るまいと思つて言はなかつた。
— 泉鏡花 『貴婦人』 青空文庫
ところが、此の落英の落の字が厄介で、菊ははら/\と落ちるものではないから、落は先日某君から質問された「チヌル」の事に関係のある落成の落の字と見なして、落英は即ち咲いた花だといふ説もあるが、何だかおちつきの悪い解ではある。
— 幸田露伴 『菊 食物としての』 青空文庫
宿に帰つてから、東京の某君に柬せんと欲して徹宵筆を措かず表書を書了る頃、更既に明けたり、 十七日午前七時九分大阪発、村山社長素川君等見送られる、三ノ宮で下車すると僕と形影相追随するが如き長田君ステーションで僕を迎へて呉れた。
— 東海道線 『旅日記』 青空文庫
午前十時半長田君大庭君(大阪毎日)神戸支局の某君に見送られて神戸丸に乗込む。
— 東海道線 『旅日記』 青空文庫