阿巌
阿巌
名詞
標準
文例 · 用例
武蔵は初め、その法師が宝蔵院二代目の胤舜かと思って見ていたが、側の者に訊いてみると、彼は阿巌という高弟の一人であって胤舜ではない、たいがいな試合でも、宝蔵院七足といわれる七人の弟子で間に合っているので、胤舜が自身で立合うなどという例はまずないというのである。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
不遜な阿巌という当の法師はもう引っ込んで、他の法師たちの中でげらげら何か笑っているのであったが、道場へ次の相手が出たので振向いた。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
奇態な声を発しながら槍を手繰り返すと阿巌は、舞うように、武蔵のほうへ向って躍り返った。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
「――馬鹿よ、阿巌坊の大たわけよ、よく見よ、その相手は、羽目板とちと違うぞ」五 槍を構えたまま、阿巌は横を向いて、「――誰だっ?
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
「阿巌、無駄じゃよ、その試合は。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
阿巌は老僧の注意で一度は槍の手をゆるめたが、武蔵と眸をあわせると、途端にそのことばを忘れてしまったように、「何をいうかっ」 と、すでにそこにいない者を罵って、また槍を持ち直した。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
阿巌の憤怒を煽るには十分であった。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
そして筋肉は、阿巌のように節くれ立っていなかった。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫