裾綿
すそわた
名詞
標準
文例 · 用例
よく見ると、そこがすり切れていて、一寸ばかり裾綿が覗きだしているのだった。
— 豊島与志雄 『立枯れ』 青空文庫
これが資本家どもの政変と陰謀的祝賀と僕らの次の餅のエピソードとの起源となったのだ―――八人に一人づゝ囚人労働の短縮を申しわたされ「祝」と書いた餅が僕らに二つづゝ配られた裾綿のちぎれた赤い筒袖を羽織りながら、みんなはツアーの「恩典」を話し合った―――八ヶ月………受けるか?
— ――全農の林延造氏に―― 『餅の歌』 青空文庫
田舎のお婆さんでも被りそうな、性のぬけた小紋の古い頭巾を、眉までかぶって裾綿のはみ出している着物に、薄よごれのした帯を大きく結んで――。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
今夜はばかみた寒鴉」 一人一人、いろんな事を言いながら、格子の内へ駈けこんで来るのが、どれもこれも、白粉を厚く塗りたてて、凩に吹かれたようなよごれた髪に、性のぬけた安縮緬の裾綿という姿です。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫