会員券
かいいんけん
名詞
標準
membership card
文例 · 用例
それが、赤玉から頼まれてクリスマスの会員券を印刷したのが、そこへ足を踏入れる動機となってしまったのである。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
会員券だからおあいそ(勘定書)も出されぬのを良いことに、チップも置かずに帰った。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
もともと会員券を買わされた時に捨てたつもりの金だったからただで遊んだような気持からでもあったが、実はその時の持ちの瞳のもてなしが忘れられなかったのだ。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
会員券にマネージャの認印があったから、女たちが押売したのとちがって、大事にすべき客なのだろうと、瞳はかなりつとめたのである。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
最初私が美人座へ行ったのは、その頃私の寄宿していた親戚の家がネオンサインの工事屋で、たまたま美人座の工事を引受けた時、クリスマスの会員券を売付けられ、それを貰ったからであるが、戎橋の停留所で市電を降り、戎橋筋を北へ丸万の前まで来ると、はや気が狂ったような「道頓堀行進曲」のメロディが聴えて来た。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
切符は、私たち主人が馬を持っているのでレース倶楽部の会員券がありますから……」「あ、馬をお持ちですか」「はい、クンプウというサラブレッド種の黒鹿毛を」「クンプウ?
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫
……あの只今のお礼と言っては失礼ですが、今日は主人が参りませんから、まだ入場券をお買いにならないのならば私たちといっしょに、会員券でおはいりなさいましな」「そりゃ大助かりです、どうぞ」 と、今村は馭者台の端から下りて、従者のように、彼女たちを馬車の扉から迎えた。
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫