虎猫
とらねこ
名詞
標準
文例 · 用例
さてその部下の一番書記は白猫でした、二番書記は虎猫でした、三番書記は三毛猫でした、四番書記は竃猫でした。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
大きな事務所のまん中に、事務長の黒猫が、まつ赤な羅紗をかけた卓を控へてどつかり腰かけ、その右側に一番の白猫と三番の三毛猫、左側に二番の虎猫と四番のかま猫が、めいめい小さなテーブルを前にして、きちんと椅子にかけてゐました。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
たとへば、ある日となりの虎猫が、ひるのべんたうを、机の上に出してたべはじめようとしたときに、急にあくびに襲はれました。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
そこで虎猫は、みじかい両手をあらんかぎり高く延ばして、ずゐぶん大きなあくびをやりました。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
そこで虎猫は急いであくびを切り上げて、机の上から手をのばして、それを取らうとしましたが、やつと手がかかるかかからないか位なので、べんたうばこは、あつちへ行つたりこつちへ寄つたり、なかなかうまくつかまりませんでした。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
その時四番書記のかま猫も、ちやうどべんたうの蓋を開いたところでしたが、それを見てすばやく立つて、弁当を拾つて虎猫に渡さうとしました。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
ところが虎猫は急にひどく怒り出して、折角かま猫の出した弁当も受け取らず、手をうしろに廻して、自暴にからだを振りながらどなりました。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
かま猫君も虎猫君に喰べさせようといふんで拾つたんぢやなからう。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫