韈
韈
名詞
標準
文例 · 用例
我はあるは壁に畫ける神童の面の、緑なる草木の間にほゝゑめるを見、あるは日ごろ半ば神のやうにおもひし、紫の韈穿ける議官、紅の袴着たる僧官達を見て、おのれがかゝる間に入り、かゝる人に交ることを訝りぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
かの老いたる猶太婦人の詞すくなく、韈編めるも、わがためには一人の證人なり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
靴と韈とは汚れ裂けたるまゝなり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
尖りたる帽を紐もて結び、褐色の短き外套を纏ひ、足には汚れたる韈はきて、鞋を括り付けたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
十七日に蘭軒は夏時|韈を着くることを乞うて、十日の後に允された。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
雨天に而皆々被参候事に御坐候得ば曾而不苦、草鞋布韈尤妙に御坐候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
そは熱き夏の渚辺、濡髪のなまめかしさに、女つと寝がへりながら、みだらなる手して結びし色|紅き韈の紐。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
』と問へば、かくこそ、火にいぶる紅き韈つと退きて噎せ入りながら、『子らよ、そは、ああ、その薔薇あまりにも紅かりしゆゑ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫