互先
たがいせん
名詞
標準
even game (esp. in go)
文例 · 用例
その内に、そっと稽古をして、直木を互先で負かしてやろうかと云ういたずら気もあったが、何分忙しいので、そのままに過ぎていた。
— 菊地寛 『碁の手直り表』 青空文庫
其後十一谷君の進歩著しく、私たちと互先の手合になり、顔を見れば早速碁盤を持出す始末で、十年前、二人とも急な仕事をもって熱海に行った時など、一週間、原稿は一枚も書かずに碁をうってばかりいたことがある。
— 豊島与志雄 『十一谷義三郎を語る』 青空文庫
近所にチヌの浦孤舟といふ浪花節の師匠がゐて、この近辺では一番強く、ヘボ倶楽部を吹聴した発頭人であつたが、まもなく再び碁会所へ現れるやうになり、僕も互先で打つやうになつた。
— 坂口安吾 『古都』 青空文庫
いづれも僕と互先、文人囲碁会のなじみであるが、まもなく村松梢風さんがやつてきて、将棋の方には顔をださず、二階へあがつて碁を打ちはじめ、これまた僕とは互先で、倉島君がそッと来て、「村松さんがきたぜ。
— 坂口安吾 『散る日本』 青空文庫
互先の十番碁であるから、コミナシである。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
久方ぶりに姿を現したちぬの浦孤舟師匠を忽ち互先まで打ち込んだときは、ために碁会所も鳴動するばかりの拍手大喝采であつた。
— 坂口安吾 『囲碁修業』 青空文庫
尤もこの春ひどく疲れて豊島与志雄さんを訪ねて十番碁をやり常先に打ちこまれ、国府津で泥酔して尾崎一雄とやって互先に打ちこまれ、勝ったのは村松梢風さんにだけ。
— 坂口安吾 『私の碁』 青空文庫
彼と瀬川とはどちらも笊碁ではあるが、互先のいい相手だった。
— 豊島与志雄 『愚かな一日』 青空文庫