鈍す
なます
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to anneal
文例 · 用例
貧すれば鈍するツていふからね。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
それまでにして育てたお玉を、貧すれば鈍するとやら云うわけで、飛んだ不実な男の慰物にせられたのが、悔やしくて悔やしくてならないのだ。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
俺も貧すれば鈍するでスッカリ共鳴してしまって技師を派遣する費用の調達を引受ける事になった。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
貧は貧を生ずるものなり、持つものには加えられ持たざるものよりはすでに持つものをも取去らる、俗にいわゆる貧すれば鈍するとの言は心理学上の事実にして経済学上の原理なり、富者ますます富めば貧者はいよいよ貧なり、貧より来る苦痛の中にこの絶望に沈むこと、この無限の堕落を感ずることこれ悲歎の第六なり。
— 内村鑑三 『基督信徒のなぐさめ』 青空文庫
犬がどうして人に金の皿を餽るものか、犬が人に遣った物の代金を我が受けらりょうか、いかに貧すれば鈍するとて上帝に誓うて爪の端も汝よりは受けられぬ。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
浮世の辛酸をなめ、民衆としての苦労をした人々を、所謂貧すれば鈍する的事情から立たしめて、その辛酸と労苦との社会的意義を自覚させたのは何の力であったろうか。
— 宮本百合子 『文学の大衆化論について』 青空文庫
貧すりや鈍するといふ、まつたくだ、金がないと、とかく卑しい心が出てくる、自家の醜劣には堪へがたい。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
この秋女房に逃げられやして、それから引き続き不手まはりな事ばかり多うござりやしたから、貧すりや鈍すると申す通り、ふとした一時の出来心から、飛んだ失礼な真似を致しやした。
— 芥川龍之介 『鼠小僧次郎吉』 青空文庫
作例 · 標準
刀身を赤くなるまで熱してからゆっくり冷やすことで、鋼を鈍して粘りを持たせる。
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加工しやすくするために、硬くなった真鍮のワイヤーを一度火に炙って鈍した。
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職人は金属の表面の色を見極めながら、最適なタイミングで熱処理を施して鈍していく。
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