童歌
わらべうた
名詞
標準
文例 · 用例
それは、巷に歌われる童歌にも、力のない百姓の顔いろにも、何か倦み飽いた顔している市人の眼にも、明らかに、現れつつある事だったが、そんな大勢などには、当然、驚くわけもない。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
そのうえ済州の地方、この人あって、童歌の清きを失わず、また能く、読書の声を野に保つ……とまで賞めそやされているほどだった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
畑の童歌がどこかに遠く、羊や馬、牛の群れまでがまるで画中の物だった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
その童歌も、北斗の妖しき光芒も、偶然ではございませんぞ」「なにか、証があるか」「この一紙をごらんください。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
足軽の子は足軽の子らしく、この辺わいわいと童戯や、童歌に満ちて道を邪げている。
— 第二分冊 『新書太閤記』 青空文庫
また、一般の歌調音楽も、あれは知らず識らずに、民の志気を導くものとされているので、古来の名宰相は、巷の童歌も決しておろそかには聴いていなかった。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
その頃、岡崎、浜松あたりの童歌にも、ほとけ高力鬼作左どちへんなしの天野三郎兵衛 と、謡われたほど、鬼作左の名は、士民の中の“怖いおやじ”を代表していた。
— 第十分冊 『新書太閤記』 青空文庫
帰ろうぞ」「いいえ」かぶりを振って――「いつまでも私は、待っていとうござります」「わからぬ駄々をいうではない、さ……」うながすと、十八公麿は、父が、朗詠する時の節をそのまま真似て、あすありとおもうこころのあだざくら夜半にあらしのふかぬものかは…… 愛らしい唇で、童歌のようにうたった。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫