聚
聚
名詞
標準
文例 · 用例
そして向勢は諸物の形象を時間的に聚集する。
— 中原中也 『詩と詩人』 青空文庫
帰路は夕日を背負って走るので武蔵野特有の雑木林の聚落がその可能な最も美しい色彩で描き出されていた。
— 寺田寅彦 『異質触媒作用』 青空文庫
蛮地では人煙が稀薄であり、聚落の上に煙の立つのは民の竈の賑わえる表徴である。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
秋(シュウ)が現在の日本流では、「収」「聚」と同音である。
— 寺田寅彦 『言葉の不思議』 青空文庫
(應)とは殘忍なる乞丐の聚合せる一團體の名なることは、此一を推しても知る可きのみ。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
楚歌一身に聚りて集合せる腕力の次第に迫るにもかかはらず眉宇一点の懸念なく、いと晴々しき面色にて、渠は春昼寂たる時、無聊に堪えざるものの如く、片膝を片膝にその片膝を、また片膝に、交る交る投懸けては、その都度靴音を立つるのみ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
彼の視野のなかで消散したり凝聚したりしていた風景は、ある瞬間それが実に親しい風景だったかのように、またある瞬間は全く未知の風景のように見えはじめる。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
桜の根は貪婪な蛸のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚めて、その液体を吸っている。
— 梶井基次郎 『桜の樹の下には』 青空文庫