秦皮
とねりこ異読 トネリコ
名詞
標準
Japanese ash (Fraxinus japonica)
文例 · 用例
四十一年十二月 陰影の瞳夕となればかの思曇硝子をぬけいでて、廃れし園のなほ甘きときめきの香に顫へつつ、はや饐え萎ゆる芙蓉花の腐れの紅きものかげと、縺れてやまぬ秦皮の陰影にこそひそみしか。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
それか、実に声もなき秦皮の森のひまより熟視むるは暗き池、谷そこの水のをののき。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
かくてなほ声もなき秦皮よ、秘に火ともり、精舎また水晶と凝る時愁やぶれて響きいづ、響きいづ、最終の霊の梵鐘。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
」「ヘイ、お富士山はあれ、あっこに秦皮の森があります。
— 伊藤左千夫 『河口湖』 青空文庫
秦皮の、真砂、いさごの、森の小路よ、微風も足音たてず、梢より梢にわたり、山蜜の色よき花は金色の砂子の光、おのづから曲れる路は人さらになぞへを知らず、このさきの都のまちはまれびとを迎ふときゝぬ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
高樫の路われはゆかじな、秦皮や、赤楊の路、日のかたや、都のかたや、水のかた、なべてゆかじな。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
秦皮の、眞砂、いさごの、森の小路よ、微風も足音たてず、梢より梢にわたり、山蜜の色よき花は金色の砂子の光、おのづから曲れる路は人さらになぞへを知らず、このさきの都のまちはまれびとを迎ふときゝぬ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
僕は秦皮樹のステッキを挙げ、O君にちょっと合図をした。
— ――或は「続海のほとり」―― 『蜃気楼』 青空文庫