年並み
としなみ
名詞
標準
文例 · 用例
恥かしいことだけど、どういう訳かその年になるまでついぞ縁談がなかったのだもの、まるでおろおろ小躍りしているはたの人たちほどではなかったにしても、矢張り二十四の年並みに少しは灯のつく想いに心が温まったのは事実だ。
— 織田作之助 『天衣無縫』 青空文庫
日中はきれいに晴れ上がったが、気温は平年並みには届かず、かろうじて一〇度を超えるにとどまった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
年のみは老っても、秀吉、正直のところ、心はいっこう年並みに育ちきれませぬ。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
即ち今後も平年並みの大雨が降れば、いつでも洪水が起きると考えねばならないようである。
— 中谷宇吉郎 『亡び行く国土』 青空文庫
却つて、七八歳以上の子供は、青年並に起たせる方が訓練になるのであります。
— 岸田國士 『優にやさしき心』 青空文庫
海士少女の物語の中に、ことわりや、扨は仙女の計らいにて、行くや月日を此箱に畳みかくして、年並の老いせず死せぬ薬を籠めて、あさまになさじとさしもげに、明くなと教え給いける言葉を変て云々、 此の如くして、謡曲の作者は、玉手箱と不死の霊薬とを連結し、浦島伝説と支那神仙説とを、巧に結合したるなり。
— 高木敏雄 『比較神話学』 青空文庫