控え所
ひかえじょ
名詞
標準
文例 · 用例
今朝からまいっていて控え所のほうにいた人々はこの時になってお縁側へ出て来て何かと御|挨拶を申し上げたりしている中に、気どったふうを見せながら平凡でおもしろみのない顔をし、直衣に太刀を佩いているのがあった。
— 東屋 『源氏物語』 青空文庫
たとい武家の子供だと云っても、ちょうど十二三のいたずら盛りが大勢一度に寄り合うのであるから、控え所のさわぎは一と通りでないのを、勤番支配の役人どもが叱ったり賺したりして辛くも取り鎮めているのである。
— 朝顔屋敷 『半七捕物帳』 青空文庫
最早、夜稽古が始まる時刻で、道場に詰めかけていた、通いの門弟たちは、控え所の方へ追い出されていた。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
お高は、控え所の窓へ眼をやった。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
控え所へ戻ると、朝倉摂津が待っていて、どういうつもりだと噛みついた。
— 山本周五郎 『改訂御定法』 青空文庫
朝倉城代は例のとおり先に帰ったものと思ったが、控え所に戻ってみると、宗兵衛と共に老人が待っていた。
— 山本周五郎 『改訂御定法』 青空文庫
精士館の控え所で稽古着に替え、別科の道場へ出てゆくと、若い藩士が五人、面をつけない稽古着でやって来て、直衛を半円に取巻いた。
— 山本周五郎 『改訂御定法』 青空文庫
控え所には宗兵衛がいて、むろんいまの裁きを聞いたのだろう、吃驚したような顔で呼びかけたが、直衛は「あとであとで」と首を振り、麻裃のまま役所から出ていった。
— 山本周五郎 『改訂御定法』 青空文庫