案頭
あんとう
名詞
標準
文例 · 用例
そこで彼の權官は首尾よく天下の名石を奪ひ得てこれを案頭に置て日々眺めて居たけれども、噂に聞きし靈妙の働は少しも見せず、雲の湧などいふ不思議を示さないので、何時しか石のことは打忘れ、室の片隅に放擲して置いた。
— 國木田獨歩 『石清虚』 青空文庫
此「天保三壬辰秋日問津館集」の七律に「経験奇方嚢裏満、校讐古策案頭多」の聯がある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
家に帰り案頭の寒暑計を見るに華氏六十度なり。
— 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 『断腸亭日乗』 青空文庫
案頭の寒暑計華氏八十四度を示す。
— 断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 『断腸亭日乗』 青空文庫
案頭の桜草花既に落つ。
— 断腸亭日記巻之五大正十年歳次辛酉 『断腸亭日乗』 青空文庫
それから最近一月十日の日附の郵便が鎌倉の私の案頭に落ちた。
— 高浜虚子 『漱石氏と私』 青空文庫
最近私が松山に帰っている時に次のような手紙が案頭に落ちた。
— 高浜虚子 『漱石氏と私』 青空文庫
それから『鶴子にまで御差出しの手紙に就て御話申上度事あり御來宅待上候』といふ洋罫紙に亂暴にペンで書かれた手紙が其日水月の案頭に落ちた。
— 高濱虚子 『俳諧師』 青空文庫