間遠い
まどおい
形容詞
標準
at long intervals
文例 · 用例
夜は、間遠いので評判な、外濠電車のキリキリ軋んで通るのさえ、池の水に映って消える長廊下の雪洞の行方に擬う。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
つまらぬ浜田への意地でそんな手間遠い真似をするより、少しも早く今こゝで浜田へ頼むで蘭丸に会はしてもらはうと思つた。
— 牧野信一 『蘭丸の絵』 青空文庫
あれは三年の間遠い所にゐた。
— BALTHASAR ALDRAMIN. KURZE LEBENSGESCHICHTE AUS DEM ALTEN VENEDIG. 『復讐』 青空文庫
すると、間遠い魚の影が、ひらりと尾|鰭を翻して、滑べらかな鏡の上には、泡一筋だけが残り、それが花瓣のような優やかさで崩れゆくのだった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
その障子の方を枕にして、寂然と横はつた芭蕉のまはりには、先、医者の木節が、夜具の下から手を入れて、間遠い脈を守りながら、浮かない眉をひそめてゐた。
— 芥川龍之介 『枯野抄』 青空文庫
要は下駄を脱ぎ捨てて足袋の底に冷めたい廊下のすべすべした板を蹈んだとき、一瞬間遠い昔の母のおもかげが心をかすめた。
— 谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 青空文庫