捨置
捨置
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、このまま捨置くことなら檜垣の家は後嗣絶えることになるといった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
尤も、今の内は唯お勢を戒めて今までのように文三と親しくさせないのみで、さして思切ッた処置もしないからまず差迫ッた事では無いが、シカシこのままにして捨置けば将来|何等な傷心恨事が出来するかも測られぬ。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
塚田巡査は職務上これを捨置く訳には行かぬ。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
が、何うしても其儘には捨置かれぬので、最後には畚に緊と縛り付けて、遂に彼女を上まで運び出した。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
重太郎の名を聞いては愈よ捨置かれぬ、巡査も人々も続いて其跡を追った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
飛騨は名に負う山国であるから、山又山の奥深く逃げ籠った以上は、容易に狩出すことも能ないので、余儀なく其儘に捨置いた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
少々の家財、そのままに捨置き申し候間、よろしく御取計い被下度候。
— 岡本綺堂 『怪談一夜草紙』 青空文庫
「路には御馬印|捨候を伊藤武蔵と云ふ広島浪人跡より来り捨たる御馬印を取揚て、唐迄聞えたる御馬印を捨置、落行段大阪数万の軍勢に勇士一人も無し、伊藤武蔵、御馬印を揚帰るとて御馬印を指上げ城に入る」と『大阪御陣覚書』にあるが、落城の悲惨さが分る。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫