癩菌
らいきん
名詞
標準
文例 · 用例
彼らが我々の社会を歩いているということは、癩菌のついた貨幣を我々もまた握るということなのだ。
— 伊丹万作 『映画と癩の問題』 青空文庫
あそこまで癩菌は容赦なく食い荒らして行くのかと、尾田は身顫いした。
— 北條民雄 『いのちの初夜』 青空文庫
」 そして鬚は幾度も監禁室に入れられたことや、癩菌が恰も蛆虫かなんぞのやうに指で触れ得るもののやうに思はれ、それが絶間なく肉体を腐らせて行くことに怒りと恐怖を覚え、監禁室の中でも一日に二三度は暴れ出して、壁に体を撲ちつけ、全身を掻きむしるのだとも言ひ、「実際なんといふ惨らしいことでせう。
— 北條民雄 『間木老人』 青空文庫
一体癩菌が結核その他の慢性病に較べてずつと伝染力が弱いといふことは医学でも言はれてゐることであるし、また患者数の激増等のない点から考へても頷けるが、やはり家族間では長い間の接触や、幼年期の最も伝染し易い時期に於ける病父母との接触等によつて伝染がたやすく可能なのであらう。
— 北條民雄 『続癩院記録』 青空文庫
私は自分の体内に新しく癩菌といふ友人を発見して、恐しいといふよりも奇妙な楽しさを覚えてをかしかつたのである。
— 北條民雄 『年頭雑感』 青空文庫