擯
擯
名詞
標準
文例 · 用例
ばかりでなく、自由詩は却つてその「規則正しき拍節の進行」を忌み、俗語の所謂「調子づく」や「口調のよさ」やを淺薄幼稚なものとして擯斥する。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
我々は単に、空想、情熱、主観等の語を言うだけでも、その詩的の故に嘲笑され、文壇的|人非人として擯斥された。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
詩に於ては、すべて精神的にふやけたもの、だらだらしたものが擯斥される。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
老人がもし老年らしくしなかつたら、日本では周圍中から惡評され、嘲笑され、道徳的にさへも罪惡として擯斥される。
— 萩原朔太郎 『詩に告別した室生犀星君へ』 青空文庫
そして夫人の笑の性質によって、それが擯斥されるべきものであったのか看て取りたく思った。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
多くの場合に創作者の心理分析に傾いた評釈はいわゆる「うがち過ぎ」として擯斥され、「さまでは言わずもがな」として敬遠されるようである。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
宜なる哉、縲絏の辱めを受けて獄中にあるや、同志よりは背徳者として擯斥せられ、牢獄の役員にも嗤笑せられて、やがて公判開廷の時ある壮士のために傷つけられぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
偉い人は之を動物的の愛だとか言って擯斥されるけれど、平凡な私の身に取っては是程有難い事はない。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫