廻船問屋
かいせんどんや異読 かいせんどいや
名詞
標準
maritime merchant (Edo and Meiji periods)
文例 · 用例
十五 河の氷がようやく崩れはじめ、大洋の果てに薄紫の濛靄が煙るころ、銀子はよその家の妓三四人と、廻船問屋筋の旦那衆につれられて、塩釜へ参詣したことがあった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
残る一人は大阪屈指の廻船問屋、播磨屋の当主|千六であった。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
葉子は初め酒田あたりの風俗や、雪の里と称ばれる彼女の附近の廻船問屋の盛っていたころの古いロオマンスなどを話して聞かせていたが、するうち飽きて来て、うとうと眠気が差して来た。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
家は真実そんなでもなかったけれど、美事な糸柾の杉の太い柱や、木目の好い天井や杉戸で、手堅い廻船問屋らしい構えに見受けられた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
その人たちのなかには、廻船問屋時代の番頭さんとか、葉子の家の田地を耕しているような親爺さんもあった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
その家は川に臨んでゐて、昔から廻船問屋と農業を兼ねてゐたが、交通機關の發達した今では、殆んど店に積荷など見る事がなくなつた。
— 若杉鳥子 『古鏡』 青空文庫
」と、母が遠慮して、ほしがると何んでもやったというふうにいったが、母は、深川の豪商、石川屋という廻船問屋の御新造で、花菊といった自分の伯母さんの手|許に、小間使をしていたのだから、法印さんは、その廻船問屋のかまどさまもお払いをしていたわけなのであろう。
— 続旧聞日本橋・その二 『鉄くそぶとり』 青空文庫
深川佐賀町の廻船問屋には自分の妹が片附いている。
— 長谷川時雨 『木魚の顔』 青空文庫