野分
のわけ
名詞
標準
文例 · 用例
野分というものなのかしら。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
そのころの事であるが、或る野分のあらい日に、私は學校で教師につよく兩頬をなぐられた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
野分にたたかれて破れつくした二三枚の芭蕉の葉が、その庭の隅から湯槽のなかへ青い影を落してゐた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
――夫人 時々、ふいと気まかせに、野分のような出歩行きを、……ハタと竹笠を落す。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
その野分に、衣紋が崩れて、褄が乱れた。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
看護員に迫害を加ふべき軍夫らの意気は絶頂に達しながら、百人長の手を掉りて頻りに一同を鎮むるにぞ、その命なきに前だちて決して毒手を下さざるべく、予て警むる処やありけん、地踏※蹈みてたけり立つをも、夥間同志が抑制して、拳を押へ、腕を扼して、野分は無事に吹去りぬ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
ある日曜の午後と覚えています、時は秋の末で、大空は水のごとく澄んでいながら野分吹きすさんで城山の林は激しく鳴っていました。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
武蔵野の冬の夜更けて星斗闌干たる時、星をも吹き落としそうな野分がすさまじく林をわたる音を、自分はしばしば日記に書いた。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
野分(のわき、のわけ)は、 台風の古称。二百十日の頃、野の草を吹き分ける強い風。 野分 (源氏物語) - 『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。 野分 (小説) - 夏目漱石の小説。 日本海軍の駆逐艦 野分 (初代神風型駆逐艦) 野分 (陽炎型駆逐艦) 野わけ - 渡辺淳一の連載小説、および同作を原作としたテレビドラマ。
出典: 野分 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0