正物
しょうぶつ
名詞
標準
genuine article
文例 · 用例
物理学上の方則には誤りはないはずであっても、これを応用すべき具体的の「場合」の前提とすべき与件の判定は往々にして純正物理学の範囲を超越する。
— 寺田寅彦 『地震雑感』 青空文庫
金製の鶏でなく正物の鶏を宝とした例もある。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
お正月のお座敷へ行くのに、正物の小判や一朱金二朱金の裾模様を着たというんでしたわ。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
そうして天一坊の側からはお落胤という証拠と致して公方様お墨附、並びにお短刀を示し、その時居られました方々にも皆々様之を拝見なされ、正物にまぎれもなき物と定ったそうでございます。
— 浜尾四郎 『殺された天一坊』 青空文庫
そんな危い瀬を渡る為にわざわざ三人で来られる気遣いはなく、まぎれもない正物とは、わしにさえ鑑定が出来るのじゃ」「やれ、嬉しや、福の神じゃ」 お幸と来ては亭主以上の欲張り女。
— 江見水蔭 『備前天一坊』 青空文庫
が、いくら売立てが流行るにしても、正物の寒山拾得が揃つて飯田橋を歩いてゐるのも不思議だから、隣の道具屋らしい男の袖を引張つて、「ありや本当に昔の寒山拾得ですか」と、念を押すやうに尋ねて見た。
— 芥川龍之介 『寒山拾得』 青空文庫
この伊留満の一人に化けられたと云ふのは、正物のその男が、阿媽港か何処かへ上陸してゐる中に、一行をのせた黒船が、それとも知らずに出帆をしてしまつたからである。
— 芥川龍之介 『煙草と悪魔』 青空文庫
結局、養父に話して見ようかということになって、暮の二十七日に王様に一緒に行って貰い、正物を養父に見せると、養父も乗気になって、千万円までなら出そうということになった。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
作例 · 標準
骨董市で見つけたその皿は、専門の鑑定士によれば間違いなく江戸時代の正物だという。
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「安物には手を出さず、本物の正物だけを愛でるのが大人の趣味だ」と祖父は口癖のように語った。
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ネットオークションでは偽物も多いが、今回は信頼できる出品者から希少な正物を入手できた。
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