深邃
しんすい
名詞
標準
文例 · 用例
我等は日ごとにペトラルカの深邃なる趣味といふことを教へられき。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
詩引に「幕府下特恩之命、賜邸於小川街、而邸未竣重修之功、公来居丸山荘、荘園鉅大深邃、渓山之趣為不乏矣、公日行渉為娯」と云つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
註云、客歳春夏之際、吾公嬰疾辞職、而至冬大痊、幕府下特恩之命、賜邸於小川街、而邸未竣重修之功、公来居丸山荘、荘園鉅大深邃、渓山之趣、為不乏矣、公日行渉為娯、故結末及之。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
よくあるように私も最初は哲学というものは非常に高遠で奇抜なもののように考え、そしてそのような深邃なもの新しいものを知ろうという好奇心と、そのような人が困難とするところのものを自分は理解し得ることを示そうとする虚栄心と、もっと根本的には貪ってあくことを知らない知識慾とから哲学に向った。
— 三木清 『語られざる哲学』 青空文庫
私がここにいう二つの誤解の第一のものは、哲学をたいへんに高遠で深邃なことと考えて、かような哲学をちょっとでも齧ることを非常に偉大なことと心得て思いあがる人々に属するものである。
— 三木清 『語られざる哲学』 青空文庫
あるいは彼らは哲学の秀れた点は主として人々が高遠とし深邃として遠ざけるちょうどその点にあると思惟する。
— 三木清 『語られざる哲学』 青空文庫
が、ビェリンスキーの美論は当時の読書界には少し高尚過ぎたから、誰にも碌々読まれず、殆んど注意されずに終ったが、今から三十年前にこういう深邃な美学論が飜訳されたというは恐らく今の若い人たちの思掛けない事であろう。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
が、ビェリンスキーやドブロリューボフを祖述する二葉亭の文学論は当時の女学生の耳には(恐らくは今の女学生にも)余りに高遠|深邃であって、満堂殆んど耳を傾くるものが一人もないのに失望していくばくもなく罷めた。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫