堆く
うずたかく
副詞
標準
piled up high
文例 · 用例
これを飲んだらあれを買ってやるからと云ったような事で、枕元には玩具や絵本が堆くなっていた。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
私が薬師岳で観察した所に依ると、凡べてのカアル皆然りとは言われないが、カアルの初期は、雪が横一文字に堆くなっているに過ぎないが、その両端の垂下力が遅く、中央が速いためか、第二期には三日月形に歪み、更に拡大して勾玉形になって来ている。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
天は愈よ明るい、氷の海は一層の白を加うると共に、一分の硬味を減じて来た雪になったのである、玉屑累々ともいうべき空に懸れる雪の大路を無形の手で、橇を縦横に掻き廻しはじめたと見え、捏ね返した痕跡が割れ目を生じたころは、雪は一方に堆く盛り上られ、一方では掬われたようにげっそりと凹む。
— 小島烏水 『奥常念岳の絶巓に立つ記』 青空文庫
落葉、朽葉|堆く水くさき土のにおいしたるのみ、人の気勢もせで、頸もとの冷かなるに、と胸をつきて見返りたる、またたくまと思うかの女はハヤ見えざりき。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
小屋の中には単こればかりでなく、両傍に堆く偉大な材木を積んであるが、その嵩は与吉の丈より高いので、纔に鋸屑の降積った上に、小さな身体一ツ入れるより他に余地はない。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
芥取車の上には半年の間捨て置かれた廢物が堆く積まれて甘酸い香をふりまきながら、物うげに脚を運ぶ老馬に牽かれて行く。
— 有島武郎 『春』 青空文庫
我勝ち、鳥が飛ぶやうに、ばら/\散ると、さすがは救世主のお乳母さん、のさつと太陽の下に一人堆く黒い服で突立つて、其の狂人と向合つて屈みましたつけが、叶はなく成つたと見えて、根を拔いてストンと貴女、靴の裏を飜して遁げた、遁げると成ると疾い事!
— 泉鏡太郎 『艶書』 青空文庫
棒鱈乾鮭堆く、片荷に酒樽を積みたる蘆毛の駒の、紫なる古手綱を曳いて出づ)きゃッ、きゃッ、きゃッ、おきゃッ、きゃア――まさるめでとうのう仕る、踊るが手もと立廻り、肩に小腰をゆすり合わせ、と、ああふらりふらりとする。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
作例 · 標準
例句