罌粟
けし
名詞
標準
文例 · 用例
白い壁に、罌粟の花の油絵と、裸婦の油絵が掛けられている。
— 太宰治 『故郷』 青空文庫
朱色の罌粟や赤椿などは前者の例であり、紫色の金魚草やロベリアなどは後者の例である。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(2)』 青空文庫
たけの頬は、やつぱり赤くて、さうして、右の眼蓋の上には、小さい罌粟粒ほどの赤いほくろが、ちやんとある。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
まんなかに大きい富士、その下に小さい、罌粟の花ふたつ。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
笑ひをこらへて、レンズをのぞけば、罌粟の花、いよいよ澄まして、固くなつてゐる。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
優雅な蒲公英や可憐な赤まま草を、罌粟や撫子と優劣をつけたろう。
— 岡本かの子 『かの女の朝』 青空文庫
東京へ売出すのを目的に栽培された草花の畑には今、芍薬やら擬宝珠やら罌粟、矢車草などの花が咲き敷き、それに夕陽栄えがさして五色の雲のようです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
四十一年七月 ほのかにひとつ罌粟ひらく、ほのかにひとつ、また、ひとつ……やはらかき麦生のなかに、軟風のゆらゆるそのに。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫