擬古
ぎこ
名詞
標準
imitation of classical styles
文例 · 用例
広義の擬古主義が蒼古的様式の古拙性を尊ぶ理由もそこにある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
これは希臘の擬古狂詩の断片をざっと飜訳したものだそうだ。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
其の擬古の詩の一に曰く、良辰 遇ひ難きを念ひて、筵を開き 綺戸に当る。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
擬古の詩、もとより直に抒情の作とす可からずと雖も、此是れ緇を披て香を焚く仏門の人の吟ならんや。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
漢詩和歌の擬古の裡に新機軸を出したものは姑く言わぬ。
— 森鴎外 『鴎外漁史とは誰ぞ』 青空文庫
後年九段能楽堂で名人に準ぜられている某氏の「野守」の仕舞を見た事があるが、失礼ながらあのような天才的な冴えから来た擬古的な折れ曲りとは違う。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
その点において、十一谷氏の擬古的な表現とは正に対蹠的であり、私自身の好みから言えば、横光氏の努力の方が遥かに効果的だと思う。
— 平林初之輔 『昭和四年の文壇の概観』 青空文庫
曙覧は擬古の歌も詠み、新様の歌も詠み、慷慨激烈の歌も詠み、和暢平遠の歌も詠み、家屋の内をも歌に詠み、広野の外をも歌に詠み、高山彦九郎をも詠み、御魚屋八兵衛をも詠み、侠家の雪も詠み、妓院の雪も詠み、蟻も詠み、虱も詠み、書中の胡蝶も詠み、窓外の鬼神も詠み、饅頭も詠み、杓子も詠む。
— 正岡子規 『曙覧の歌』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
擬古(ぎこ)とは、「古いものをまねする」を意味する漢語。様々な文脈で言われるが、主に散文の文体や正書法、または文学作品や芸術作品の作風について言われる。
一般
- 擬古物語 — 日本文学史において、鎌倉時代に流行した物語文学のジャンルで、平安時代の貴族を主人公にした物語。
- 擬古文 — 日本語史において、江戸時代の国学者たちが積極的に用いた文体で、平安時代の文体(中古日本語)をまねた文体。
- 擬古典主義
- 日本の近現代文学史において、明治時代初期の小説家たち(硯友社・尾崎紅葉・幸田露伴・樋口一葉ら)がとった作風で、江戸時代の井原西鶴に代表される浮世草子をまねた作風。
- 西洋の古典主義(英語: Classicism)または新古典主義(英語: Neoclassicism)の別表記・同義語。
- 擬古派
- 明治時代中期の詩人たち(塩井雨江・武島羽衣・大町桂月ら)が構成した新体詩の一派。
- 後述の明代の古文辞派
- 擬古詩集 — 1906年ノーベル文学賞を受賞したイタリアの詩人、ジョズエ・カルドゥッチの代表作。イタリア語: Odi barbare
- 中国文学史における擬古
- 擬古詩 — 詩(漢詩)のジャンル・題名。簡体字: 拟古诗。wikisource:zh:擬古詩
- 唐宋代の古文復興運動、唐宋八大家
- 古文辞派 — 明代中期の、李東陽を先駆者として李攀竜・王世貞ら前後七子からなる一派。荻生徂徠の古文辞学に影響を与えた。→中国文学#明代
出典: 擬古 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0