後進性
こうしんせい
名詞
標準
backwardness
文例 · 用例
こういう深い根源をもつ日本文化・文学の後進性については、おそらくその当時さほど注目されなかったのだろう。
— 宮本百合子 『作家の経験』 青空文庫
しかし、その後治安維持法が改悪され、日本の侵略戦争が着手され、拡大されてゆく社会波瀾の裡で、プロレタリア文学とその理論とがめぐりあった悲劇と、この後進性とはきわめて重大に関係しあった。
— 宮本百合子 『作家の経験』 青空文庫
したがって、文学も文学の自主的な足場とともに、民主国としての日本の後進性をいまや十分自覚する能力を与えられ、その自覚に立って、はじめてとっくりと十数年来のことのなりゆきをふりかえり眺めわたせる時期になった。
— 宮本百合子 『作家の経験』 青空文庫
わが身に痛くこたえているから封建的なものを嗅ぎわける神経が病的にするどくなってきている人々は、自身のうちにある近代精神の後進性は自覚しないで、同じ神経を民主主義の翹望の方向へも向けて、日本で民主主義という、そのことのうちにある封建なものを熱心にさがし出し、その剔抉に熱中しているのだと思います。
— ――新日本文学会における一般報告―― 『一九四六年の文壇』 青空文庫
桑原武夫の評論の中でも、この「レンズの光度の低さ」は「日本的方法の限界を示し」、日本の文学に共通な後進性として、鋭いフォークで刺されている。
— 宮本百合子 『心に疼く欲求がある』 青空文庫
世界文化の水平線の上に露わされている旧日本文化の後進性とその深い由来とをきわめつくし、その努力を足場として前進して行く明察と勇気との中にこそ新日本文学の端緒が期待されるのである。
— 宮本百合子 『新日本文学の端緒』 青空文庫
第二次大戦の参加とともに、日本では明治以来の社会的後進性がすっかり露わになった。
— 宮本百合子 『よもの眺め』 青空文庫
日本型の文化躍進の特徴は、日本の社会が明治以来不具のまま置かれて来た社会機構全般の後進性に伴っていて、奥ゆきなく、反射的で、真の意味で自立した人間の文化としての伝統を摂取し、それを生かしてゆく強靭な理性の弾機をもち得ないで来ている。
— 宮本百合子 『「どう考えるか」に就て』 青空文庫
作例 · 標準
その国の後進性は、教育制度の不備に起因している部分もある。
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