細枝
ほそえだ
名詞
標準
twig
文例 · 用例
それは雑朶の細枝のふたまたになって居る岐れめに何かの虫が附けた玉子から、至極|巧に、中味の虫の子が脱け出したあとの、可愛い笛の様な音を立てる小さな穴の一つあいた、かやの紅さし指のあたま位いな、貝のように硬い滑かな、灰色に白い斑の付いた殻であった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
樺の木の葉はいちじるしく光沢は褪めていてもさすがになお青かッた、がただそちこちに立つ稚木のみはすべて赤くも黄ろくも色づいて、おりおり日の光りが今ま雨に濡れたばかりの細枝の繁味を漏れて滑りながらに脱けてくるのをあびては、キラキラときらめいていた。
— イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 『あいびき』 青空文庫
地上に自然に落ちて積んだ細枝を集めることだけが許されてゐた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
うっとりとした彼の目には、拭きこんだ硝子越しに、葉をふるい落した冬の欅の優美な細枝が、くっきり青空に浮いているのが見えた。
— 宮本百合子 『或る日』 青空文庫
やがては冬來り、葉は落ち、枝はささくれ立ち、あの險しくも白眼をした雪もよひの空、寒い雨、地凍る霜の夜明け、君の呻きは細枝をふるはし、低い空を嘯かう。
— 福士幸次郎 『展望』 青空文庫
しばらくは柘榴の細枝に留っていたが、落ちつかぬと見えて、二三度|身ぶりを易える拍子に、ふと欄干に倚りかかっている自分の方を見上げるや否や、ぱっと立った。
— 夏目漱石 『永日小品』 青空文庫
しばらくは柘榴の細枝に留っていたが、落ちつかぬと見えて、二三度身ぶりを易える拍子に、ふと欄干に倚りかかっている自分の方を見上げるや否や、ぱっと立った。
— 夏目漱石 『永日小品』 青空文庫
手前隣りの低地には、杉林に接してポプラやアカシヤの喬木がもくもくと灰色の細枝を空に向けている。
— 葛西善蔵 『贋物』 青空文庫
作例 · 標準
キャンプ場で乾いた細枝をたくさん集めて焚き火の種火を作り、ゆっくりと大きな薪に火を移していく。
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昨夜の雪の重みに耐えきれなかったのか、庭の梅の細枝が一本だけポキリと折れて地面に落ちていた。
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小鳥がくちばしで器用に細枝を何本も運び、軒下の安全な場所に新しい巣を作り始めている。
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