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稲次

いなじ
名詞
1
標準
文例 · 用例
棄児は大きくなって、名を稲次郎と云った。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
彼の養父、久さんの実父は、一人前に足りぬ可愛の息子が行く/\の力にもなれと、稲次郎の為に新家の近くに小さな家を建て彼にも妻をもたした。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
一人前に足らぬ久さんを亭主にもったおかみは、義弟稲次郎の子を二人まで生んだ。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
其内、稲次郎は此辺で所謂|即座師、繭買をして失敗し、田舎の失敗者が皆する様に東京に流れて往って、王子で首を縊って死んだ。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
私も棺桶をかつぎに往きましたでサ、王子まで、と久さん自身稲次郎の事を問うたある人に語った。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
石山の爺さんが死に、稲次郎も死んだあと、久さんのおかみは更に女一人子一人生んだ。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
唖と盲は稲次郎の胤と分ったが、彼二人は久さんのであろ、とある人が云うたら、否、否、あれは何某の子でさ、とある村人は久さんで無い外の男の名を云って苦笑した。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
四 死んだ棄児の稲次郎が古巣に、大工の妾と入れ代りに東京から書を読む夫婦の者が越して来た。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫