堪え兼ねる
たえかねる
動詞-一段動詞-自動詞
標準
to be unable to endure
文例 · 用例
いのちにかけても、そう思いながら自分で自分の胸を抱いて座敷に立ったまま、嗚咽の声を堪え兼ねるのでありました。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
はたの普通平凡な人間を見るとそれ等と自分との距てが際立って痛感され、孤独の寂しみに堪え兼ねるらしい。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
「さあ、とうとう、やって来た」 満腹するとすっかり子供に返ってしまって、誰とでもじゃれて遊びたい仔犬のように、さっきから身体中に弾力の渦巻を転々さして、興味の眼を八方に向け放っていたむす子は、そういって、おかしさに堪え兼ねるように肩を慄わして笑った。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
たえかねるようにそこへ泣きくずおれると、老いたる母親は涙にしゃくりあげ、しゃくりあげ秘密を割りました。
— 血の降るへや 『右門捕物帖』 青空文庫
振り返りもせず、見向こうともせず、さながらちくちくと女の膚へ針を刺すことが、たえかねる快楽ででもあるかのように、うっすらと気味のわるい薄笑いすらも浮かべながら、せっせと彫りつづけているのでした。
— 朱彫りの花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
翻訳小説の中でなら、どんなに質量のつよい女性の生きかたも、人間の像、文学のリアリティーとして評価されるが、日本の文学、そしてそれが婦人によってかかれた小説では、明子の存在でさえも、日本の習慣の非近代性はもちこたえかねるのだろうか。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
わが家の空気の重さにたえかねるとミネはふらふらと貞子の家へゆきたくなる。
— 壺井榮 『妻の座』 青空文庫
作例 · 標準
あまりの暑さに、彼は汗を拭うことさえ堪え兼ねた。
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「もう、これ以上は耐え兼ねます!」被害者は、加害者に訴えた。
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長い行列に並び続け、彼は疲労で動くことさえ堪え兼ねた。
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