何食わぬ顔
なにくわぬかお
表現名詞
標準
innocent look
文例 · 用例
支那人は、錻力で特別に作らせた、コルセット様の、ぴったりと人間の胴体に合う中が空洞となった容器に、酒精を満し、身肌につけて、上から服を着、何食わぬ顔で河岸からあがってきた。
— 黒島伝治 『国境』 青空文庫
そして、弓子のいる茶室の方へ何食わぬ顔で廊下を伝って行った。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
二時間後、亀吉は何食わぬ顔をしてその荷物を受け取りに行き、闇市へ持って行く。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
と、そんなことをぬかすので、おれも、ははあ、これは何かあるな、と感づき、何食わぬ顔して、それに同意し、今朝、旅行に出たふりしてまた引返し、家の中庭の隅にしゃがんで看視していたのだ。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
この利巧な芸術家も、村役場に這入って行く女房の姿を見て、ちょっと立ちどまり、それから、ばかな事はしたくない、という頗る当り前の考えから、くるりと廻れ右して、もと来た道をさっさと引き返し、汽車に乗り、何食わぬ顔してわが家に帰り、ごろりとソファに寝ころがった。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
何食わぬ顔をして、これに便乗すれば、私も或いは「成功者」になれるのかも知れないが、田舎者の私にはてれくさくて、だめである。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
そうして、いい加減に江戸じゅうをあらし歩いたのと、さすがに故郷が恋しくなったのとで、その年の秋ごろに国へ逃げて帰って、何食わぬ顔をして暮らしていたんです。
— 槍突き 『半七捕物帳』 青空文庫
彼女は、その醜体を見られるのが恥ずかしそうに、抜き足さし足で早朝、何食わぬ顔をして、室蘭港へはいった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
作例 · 標準
悪いことをしたのに、彼は何食わぬ顔をしていた。
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何食わぬ顔で嘘をつくなんて、信じられない。
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失敗を隠し、何食わぬ顔でその場を去った。
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