慳貪
けんどん
名詞
標準
文例 · 用例
さ、早くお寢なさいまし」 さういふ突慳貪な聲を聞かされると、行夫はすつかり眼を覺してしまふだらう。
— 有島武郎 『小さき影』 青空文庫
一見突慳貪にも見えるけれど、実は寧ろ気が弱い迄に見解の博い人である。
— 中原中也 『萩原朔太郎評論集 無からの抗争』 青空文庫
」 と突慳貪なように云った。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
(何や、)と一ツ突慳貪に云って睨みつけたが、低声で、若いのが何か口上を云うのを、フーフーと鼻で呼吸をしながら、目を瞑って、真仰向けに聞いたもんです。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
その時母が父にも怒を移して慳貪に口をきいたことをも思い出し、父のこと母のこと、それからそれへと思を聯ね、果は親子の愛、兄弟の愛、夫婦の愛などいうことにまで考え込んで、これまでに知らない深い人情の秘密に触れたような気にもなった。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
「何しに来たの」と母は突慳貪に一言。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
それから谷の深い処には細かなうすぐろい灌木がぎっしり生えて光を通すことさえも慳貪そうに見えました。
— 宮澤賢治 『マグノリアの木』 青空文庫
實際私は弟達に對して隨分突慳貪であつた。
— 梶井基次郎 『矛盾の樣な眞實』 青空文庫