茅舎
ぼうしゃ
名詞
標準
thatched cottage
文例 · 用例
橋より下の方、東に向つて川の流るゝこと少許にして汽車のための鉄橋の下を過ぎ、右に○塩入村の茅舎竹籬を見、左に蘆葭の茂れるを見ながら一折して、終に南に向つて去る。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
主家つづきに牛舎があり、中庭を隔てて、一層古びて頽れかけた茅舎の穀物納屋もあった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
われ起つて茅舎を出で、且つ仰ぎ且つ俯して罵者に答ふるところあらんと欲す。
— 北村透谷 『一夕観』 青空文庫
所々に枯木や茅舎を点綴した冬の大原野は、漫ろにまだ見ぬ露西亜の曠野を偲ばしめる。
— 小樽より釧路まで 『雪中行』 青空文庫
やがて、低い桜の木立にかこまれた一軒の茅舎の戸口にそつと立ちどまつた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
鎌倉も、明治二十年頃までは、青山蒼田の間に古寺、古祠、茅舎が点綴するのみにして、古色蒼然として、行人をして、懐古の情、一層切ならしめたりしが、汽車通じ、旅館増し、紳士往き、肺病患者移住し、絃歌の声、濤声に和するに及びて、全く俗地と成り了んぬ。
— 大町桂月 『鎌倉大仏論』 青空文庫
処があとで関翁の話を聞けば、思いきや五郎君は翁の末子で、翁が武蔵野の茅舎を訪われたのも、実は五郎君の勧であった。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
今|憂の重荷を負うて直下に働いて居る彼爺さん達、彼処此処に鳶色に焦れた欅の下|樫の木蔭に平和を夢みて居る幾個の茅舎、其等は所謂文明の手に蠅の如く簑虫の宿の如く払いのけられねばならぬのであろうか。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
作例 · 標準
山奥の小道をしばらく進むと、ひっそりと佇む一軒の茅舎が見えてきた。
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昔話に出てくるような茅舎で、都会の喧騒を忘れ、静かな時間を過ごした。
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茅舎の屋根からは、細く白い煙がゆっくりと立ち上り、晩ご飯の準備を告げていた。
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