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番匠

ばんしょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
北海道|歌志内の鉱夫、大連湾頭の青年漁夫、番匠川の瘤ある舟子など僕が一々この原稿にあるだけを詳しく話すなら夜が明けてしまうよ。
国木田独歩 忘れえぬ人々 青空文庫
山村水廓の民、河より海より小舟|泛かべて城下に用を便ずるが佐伯近在の習慣なれば番匠川の河岸にはいつも渡船集いて乗るもの下りるもの、浦人は歌い山人はののしり、いと賑々しけれど今日は淋びしく、河面には漣たち灰色の雲の影落ちたり。
国木田独歩 源おじ 青空文庫
一ツの工事に二人の番匠、此にも為せたし彼にも為せたし、那箇にせんと上人も流石これには迷はれける。
幸田露伴 五重塔 青空文庫
一ツの工事に二人の番匠、これにもさせたし彼にもさせたし、いずれにせんと上人もさすがこれには迷われける。
幸田露伴 五重塔 青空文庫
お抱え番匠万平が、これならばいか程忍びの術に長けた者であっても、決して無事には渡り切れませぬと折紙つけたその鶯張りなのだ。
佐々木味津三 十万石の怪談 青空文庫
というのは、過去三年を通じて、失楽園にもう一人、秘密の居住者があったという事なんです」 と杏丸は懐中から、罫紙の綴りに、「番匠幹枝狂中手記」と、題した一冊を取り出した。
小栗虫太郎 失楽園殺人事件 青空文庫
所持品により、本籍並びに番匠幹枝という姓名だけは知りたれども、同人は精神激動のためか、殆んど言語を洩らさず、凡てが憂欝狂の徴候を示せり。
小栗虫太郎 失楽園殺人事件 青空文庫
というのは、院長の死を発見する直前に、屍蝋室の窓下で、番匠鹿子が卒倒しているのを見付けたのでした。
小栗虫太郎 失楽園殺人事件 青空文庫