尽十
じんじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
日ごと夜ごとを入り乱れて、尽十方に飛び交わす小世界の、普ねく天涯を行き尽して、しかも尽くる期なしと思わるるなかに、絹糸の細きを厭わず植えつけし蚕の卵の並べるごとくに、四人の小宇宙は、心なき汽車のうちに行く夜半を背中合せの知らぬ顔に並べられた。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
そして、更に「大千沙界一筒自由身」になり「無底併呑尽十方」になれば申し分がないのであろう。
— 辻潤 『浮浪漫語』 青空文庫
そうして、漸く極楽の蓮華の上で、お前と共に微妙の菩薩の相を現じて、盡十方の佛陀の光明に浴するのだ。
— 谷崎潤一郎 『二人の稚児』 青空文庫