高壁
こうへき
名詞
標準
文例 · 用例
踏むはただ鉛の路の火の飛沫、死の色つづく高壁のつらねのそこを蟻のごと匍ひもとほらむ末のすゑ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
これは大変と尚更あわてゝ「お嫁さん……待てい」「お嫁さん……待つてくれい」 と死に物狂ひにその後を追ひかけましたが、とうとう画は森陰にある国の王城厳めしい高壁を越えてその中に這入つてしまひました。
— 童話集 『小熊秀雄全集-14』 青空文庫
これは大変と尚更あわてゝ「お嫁さん……待てい」「お嫁さん……待つてくれい」 と死に物狂ひにその後を追ひかけましたが、とうとう画は森陰にある国の王城の厳めしい高壁を越えてその中に這入つてしまひました。
— 童話集 『小熊秀雄全集-14』 青空文庫
沙漠の地、毛織の幕に住居する後の世のうからのみおやヤバルにぞ「このむたに幕ひろげよ」と命ずれば、ひるがへる布の高壁めぐらして鉛もて地に固むるに、金髪の孫むすめ曙のチラは語りぬ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
沙漠の地、毛織の幕に住居する後の世のうからのみおやヤバルにぞ「このむたに幕ひろげよ」と命ずれば、ひるがへる布の高壁めぐらして鉛もて地に固むるに、金髮の孫むすめ曙のチラは語りぬ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
かえりに又長い長い高壁に沿って、ザッザッと傘に当る雨の音をききながら歩いていて深く一憂一喜という心の動きかたを感じました。
— 一九三七年(昭和十二年) 『獄中への手紙』 青空文庫
もうそのあたりから、緑暗色の外見は実に陰鬱なコンクリートの高さ一丈、底辺の厚み三尺三寸とかいう高壁が蜒々と松の木の間、小丘の裾をうねりつづいて丁度野原の家の前の辺が正門になる由。
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
ベルリンの未決監獄は、アルトモアブ街に、おそろしげな赤錆色の高壁をめぐらして建っていた。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫