繰り戸
くりど
名詞
標準
sliding door
文例 · 用例
葉子は四角なガラスをはめた入り口の繰り戸を古藤が勢いよくあけるのを待って、中にはいろうとして、八分通りつまった両側の乗客に稲妻のように鋭く目を走らしたが、左側の中央近く新聞を見入った、やせた中年の男に視線がとまると、はっと立ちすくむほど驚いた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
古藤は繰り戸のガラス越しに、切り割りの崕をながめてつくねんとしていた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
そして右の手を深々と帯の間にさし込んだまま立ち上がりざま、「汽車に酔ったんでしょうかしらん、頭痛がするの」 と捨てるように古藤にいい残して、いきなり繰り戸をあけてデッキに出た。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
この時、繰り戸がけたたましくあいたと思うと、中から二三人の乗客がどやどやと現われ出て来た。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
」 と言いながら下男の佐吉が本陣表門の繰り戸の扉をあけて、千里を迎え入れた。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
最初に登場する寺子屋の寺子らははなはだ無邪気でグロテスクなお化けたちであるが、この悲劇への序曲として後にきたるべきもののコントラストとしての存在である以上は、こうした粗末な下手な子供人形のほうが、あるいはかえって生きたよだれくりどもよりよいともいわれる。
— 寺田寅彦 『生ける人形』 青空文庫
母の乳房のやうにあつたかいあるもの(それを言葉で言ひ現はすことはできない)が、私の全身を抱きかかへて、そつくりどこかの樂園へ導いてゆくやうな氣がした。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
「ごゆっくりどうぞ……」 送り出したあとから、またひとり女の姿が、黒板べいの口をくぐって現われました。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
伝統的な日本家屋には、空間を有効活用できる繰り戸がよく見られる。
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家具の配置を考える際、開閉スペースを取らない繰り戸は非常に便利だ。
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風通しを良くするため、夏は部屋の繰り戸を全開にしている。
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