見晴かす
みはるかす
動詞
標準
文例 · 用例
見はるかす段丘の雪、 なめらかに川はうねりて、天青石まぎらふ水は、 百千の流氷を載せたり。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
臥し向っている洋室|擬いの腰張のニス板が、睫毛の間から見はるかす限りもない大地の拡がりに感ぜられて来ました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
揚幕の霞を出づる、玉に綾なす姿とともに、天人が見はるかす、松にかかった舞台の羽衣の錦には、脈打つ血が通って、おお空の富士の雪に照栄えた。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
燻し空、かがやかぬ波、見はるかす円き涯のみ。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
燻し空、かがやかぬ波、 見はるかす円き涯のみ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
途端に、見はるかす眼下の森、谷、巌から、其等が大きく傾斜して海に続く迄の風景が、雨あがりの落暉の中に、見る見る鮮明さを加えて浮かび上った。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
・みんなもがれてこの柿の木は落葉するばかり・この山奥にも田があり蝗があそんでゐる・りんだうはつゝましく蔓草のからみつき・見はるかす野や街や雲かげのうつりゆくを 十一月三日天地玲瓏として身心清明、菊花節。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
遠く見はるかすと、漠として、しかもなかなか明瞭に、うす黒い線になってつづいていた。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫