小額
しょうがく
名詞
標準
文例 · 用例
朝日がひむがしの海より出で、山の小額を薔薇色に染めかけるとき、この水の底から湧く泡の玉は特に数が多い。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
それほど彼等の生活は單調で、三十年も一年のやうであるとも云へるし、道具といふやうなものをそれほど大切にしてゐるとも云へるし、またたとへ小額でも現金支出がなかなか大へんなことを語つてゐるとも云へる。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
そして小額の損失ならば、大したこともあるまいと思ふだけだ。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
」 葉子は言うのだったが、庸三も三つの書店から来る印税の一番小額な分の残額くらいは、それに当てておいてもいいと思った。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
渋江氏の秩禄公債証書はこの年に交付せられたが、削減を経た禄を一石九十五銭の割を以て換算した金高は、固より言うに足らぬ小額であった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
小額の金に対する度外れの執着心が殊更に目立って見えた。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
彼はむろん、実家が破産したということから、ずいぶん大きい打撃を受けていた上に、日常の生活においては、かなり享楽者であった青木は、なんといっても不自由な寄食的生活と、月々給与せられる五円という小額な小遣いとのために、その生活をかなり虐げられているらしかった。
— 菊池寛 『青木の出京』 青空文庫
勳功ニ伴フ年金ガ現時ノ如キ消極的ノ小額ナルハ不可ナリ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫