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小橋

こばし
名詞
1
標準
文例 · 用例
瑞西あたりの山のホテルを想はせるやうな帝国ホテルは外側から観賞しただけで梓川の小橋を渡り対岸の温泉ホテルといふ宿屋に泊つた。
寺田寅彦 雨の上高地 青空文庫
後には森を背負ひ、門前の小川には小橋がかゝつて居る、何となしに閑寂な趣のある好い土地だと思ふ。
寺田寅彦 寫生紀行 青空文庫
古い一例を挙げれば清和天皇の御代|貞観十六年八月二十四日に京師を襲った大風雨では「樹木有名皆吹倒、内外官舎、人民|居廬、罕有全者、京邑衆水、暴長七八尺、水流迅激、直衝城下、大小橋梁、無有孑遺、云々」とあって水害もひどかったが風も相当強かったらしい。
寺田寅彦 颱風雑俎 青空文庫
スイスあたりの山のホテルを想わせるような帝国ホテルは外側から観賞しただけで梓川の小橋を渡り対岸の温泉ホテルという宿屋に泊った。
寺田寅彦 雨の上高地 青空文庫
庵室の客人が、唯今申す欄干に腰を掛けて、おくれ毛越にはらはらと靡いて通る、雪のような襟脚を見送ると、今、小橋を渡った処で、中の十歳位のがじゃれて、その腰へ抱き着いたので、白魚という指を反らして、軽くその小児の背中を打った時だったと申します。
泉鏡花 春昼 青空文庫
あとへ引返して、すぐ宮前の通から、小橋を一つ、そこも水が走っている、門ばかり、家は形もない――潜門を押して入ると――植木屋らしいのが三四人、土をほって、運んでいました。
泉鏡花 半島一奇抄 青空文庫
口々に雑談をするのを聞くと、お谷さんが、朝化粧の上に、七つ道具で今しがた、湯へ行こうと、門の小橋を跨ぎかけて、あッと言った、赤い鼠!
泉鏡花 半島一奇抄 青空文庫
その麓まで見通しの、小橋の彼方は、一面の蘆で、出揃って早や乱れかかった穂が、霧のように群立って、藁屋を包み森を蔽うて、何物にも目を遮らせず、山々の茅薄と一連に靡いて、風はないが、さやさやと何処かで秋の暮を囁き合う。
泉鏡花 海の使者 青空文庫