川船
かわふね
名詞
標準
文例 · 用例
このごろ見たうちで、アメリカの川船を舞台としたロマンスの場面中に、船の荷倉に折り重なって豚のように寝ているニグロの群れを映じてそれにものうげに悲しい鄙歌を歌わせるのがあった。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
提灯には深川船宿|於加田と書いてある。
— 山中貞雄 『右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法』 青空文庫
峰を視めて、山の端に彳んだ時もあり、岸づたひに川船に乘つて船頭もなしに流れて行くのを見たり、揃つて、すつと拔けて、二人が床の間の柱から出て來た事もある。
— 泉鏡太郎 『霰ふる』 青空文庫
峰を視めて、山の端に彳んだ時もあり、岸づたいに川船に乗って船頭もなしに流れて行くのを見たり、揃って、すっと抜けて、二人が床の間の柱から出て来た事もある。
— 泉鏡花 『霰ふる』 青空文庫
時に、白い手といえば、「怪談録」目録の第一に、一、浅草川船中にて怪霊に逢う事、というのがある。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
大橋より川上は小蒸気船の往来なくして、たゞ川船、伝馬、荷足、小舟の類の帆を張り艫櫂を使ひて上下するのみなれば、閑静の趣を愛して夏の日の暑熱を川風に忘れんとするの人等は、大橋以西、製紙所の上、川の南西側に榛の樹立の連なれるあたりの樹蔭に船を纜ひて遊ぶが多し。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
手先に使っておったあの五人の川船頭が、漏らしてならねえ秘密を漏らしそうになったんで、荒療治をやったのよ。
— 首つり五人男 『右門捕物帖』 青空文庫
川船で行けば訳はない。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫