花林
かりん
名詞
標準
文例 · 用例
十日、丁亥、晴、晩頭将軍家桜花を覧んが為、永福寺に御出、御台所御同車、先づ御礼仏、次に花林の下を逍遥し給ふ、其後大夫判官行村の宅に入御、和歌の御会有り、亥の四点に及び、月に乗じて還御。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
花林糖を買うのである。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
金銀珠玉巧を極め、喬木高樓は家々に築き、花林曲池は戸々に穿つ。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
」 包みを披いてみると、袷、洗濯したメリヤスシヤツ、猿又、紙などがあり、その上に別の一包みになつて、飴玉と花林糖の紙袋があつた。
— 島木健作 『一過程』 青空文庫
滑稽なことには其息子が花林糖賣であつた。
— 長塚節 『開業醫』 青空文庫
最前から見物していたキャラメルの仲間のミンツ、ボンボン、チョコレート、ドロップス、飴玉の仲間の元禄、西郷玉、花林糖、有平糖なぞはソレというので馳け寄って、双方入り乱れてゴチャゴチャに押し合い掴み合っているうちに、みんなお互いにくっつき合って動けなくなってしまいました。
— 夢野久作 『キャラメルと飴玉』 青空文庫
寂莫たる深夜――ふかがわ富ヶ岡八幡の社地に、時ならぬ冷光、花林のごとく咲きつらなったのは丹下左膳、月輪軍之助、各務房之丞、山東平七郎、轟玄八、岡崎兵衛、藤堂粂三郎ら乾雲の一団が、相手は一諏訪栄三郎と侮って、一気にしてこれを屠り坤竜丸をおさめるつもり――鍔鳴りのひびきが錚然として月明に流れた。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
文展で評判の好かった不折の「陶器つくり」の油絵、三千里の行脚して此処にも滞留した碧梧桐「花林檎」の額、子規、碧、虚の短冊、与謝野夫妻、竹柏園社中の短冊など見た。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫