細み
ほそみ
名詞
標準
文例 · 用例
細みがあつて、しかも弱からず、しをりがあつてしかも感傷に陷らないのである。
— 寺田寅彦 『天文と俳句』 青空文庫
幽玄も、余情も、さびも、しおりも、細みもこの弦線の微妙な振動によって発生する音色にほかならないのである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
月に寄せて言問はむ、鉄塔の上に坐す円かなる月読の神、二三すぢ細み引く茜の雲。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
今こうして三人泣き合いながら、わたくしもありのままを申しあげ、お嬢さまからも事の子細みんな承りましたのでござりまするが、ことしの節句が無事に済めば、遠からずもうお輿入れせねばなりませぬゆえ、いっそ思いきってと、あの預かり雛をお隠しあそばされたのだそうでござります。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
また、あの細みを愛する。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
僕にしてはその句は、細みのよく出た句ですよ。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
俳句というのは、硯と墨とがぴたりと吸いつき合った触感の、あの柔い微妙な細みから、自然に滴り落ちた一滴の雫でなくては駄目なんだよ。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
壁のない堂内の、透けた閑寂さの中に立った柱の細みも、背後の森の青さに射し洗われ板間に映るように美しかった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫