我先
われさき
名詞
標準
文例 · 用例
我先に其端艇に乘移らんと、人波うつて※閙く樣は、黒雲の風に吹かれて卷返すやうである。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
」 懸賞金百円の沙汰即日四方に喧伝して、土地の男女老若を問わず、我先にこの財を獲んと競い起ち、手に手に鎌を取りて、へいげん門外の雑草を刈り始めぬ。
— 泉鏡花 『金時計』 青空文庫
我先ず独り悦び、朋もまた悦び来たる。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
おまけに降り出したと思ったとたん、雨は肩を押し合いながら我先に地面を激しく叩き始めた。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
で鈴の第一聲が鳴るか鳴らぬに、ガタ/\廊下を踏鳴らしながら、我先にと解剖室へ駈付ける。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
私達は痛さに堪えかねて、まだ張りもしないで砂の上に拡げてあったテントの下へ、我先にともぐり込んだ。
— 中島敦 『虎狩』 青空文庫
子供達は我先と、小突き合いながら、潮のように雪崩込んで来た。
— 佐左木俊郎 『手品』 青空文庫
さて人ごゝち附きて見れば、家のしりへの方に、紺屋の物干す料なる広く明きたる地のあれば、そこをさして我先にと往くなり。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫