渓畔
けいはん
名詞
標準
文例 · 用例
この夜、渓畔に天幕を張り、これを煮て食う。
— 大町桂月 『層雲峡より大雪山へ』 青空文庫
青草緑苔、石上に敷き、また灌木の渓畔に横たわるあり、野花の岸頭に笑うありて、実に仙境の趣をなす。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
二人は、急いでもときた渓畔を下流の方へ下り、先刻の砂の河原のところへ出て、対岸の芒原の丘を望むと、いた。
— 佐藤垢石 『香熊』 青空文庫
花崗岩の家ほどもある岩塊が、いくつともなく渓畔に転積していた。
— 佐藤垢石 『淡紫裳』 青空文庫
其頃は夏の日の光線にかゞやいた碧い空が、山と谷との上を蔽うて、電車が明るい快い姿を溪畔から山の町の方へと駛らせて行つた。
— 田山花袋 『日光』 青空文庫
東京の附近の諸梅園の比にはあらざれども、余は、籬外溪畔、疎影暗香の觀ある吉野村、梅園村などの梅を取らむか。
— 大町桂月 『水戸觀梅』 青空文庫
狹き谷の、溪畔巖側、また餘地なきまでに、祠宇巍然として立てり。
— 大町桂月 『冬の榛名山』 青空文庫
崖には氷柱を帶び、溪畔の石、みな氷の衣を被りて、水晶宮の觀あれども、もと四五丈の小瀧、わざ/\來て見るべき價値はあらず。
— 大町桂月 『冬の榛名山』 青空文庫