函
ばこ
名詞
標準
文例 · 用例
要するに、この直六面体の図式的価値は、他の同系統の趣味がこの六面体の表面および内部の一定点に配置され得る可能性と函数的関係をもっている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
もっとも私自身も郵便を投函する必要のあるとき自動車の運転手に「郵便函があったら留めてくれ」といおうか「ポストがあったらストップしてくれ」といおうか、どっちがよくわかるだろうかと咄嗟に迷うことがある。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
例えば函館は日本の北で、台北は日本の南である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
けれども北海道の地図から言えば、函館はその南であり、台湾の地図から見れば、台北はその北方である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
即ち言語を機械学的に配列したり、韻律を力学によって法則したり、或はピラミッド形の象形詩形を造ったりして、一種の新様式に於ける函数的クラシズムを創造した。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
新しき時代のものは、法則がより変態でより函数的に動かし得る韻律の自由を持っている。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
…… だがまた、これは場違ひな話ではあるが、さうした私の心理の傾きを、或る時は、私がメタフィジックな函数を持ち客観性を失はない所以だと思ふのであつてみれば、そしてそれも亦、まんざら理由のないことでもないのであつてみれば、私はでは、どうした心構へをとればよいのであらうか?
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
もう山を浸していた霧も、気温のために、方々から湯気のように蒸騰して、砂の息蒸の匂いが何処からともなくする、二合五勺に辿り着いた頃には、近くは勾玉状に光れる山中湖と、その湖畔の村落と、遠くは函根足柄を越えて、大磯平塚の海岸、江の島まで見えた。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫