赤裳
あかも
名詞
標準
文例 · 用例
帝もほのかに御覧になった玉鬘の美貌をお忘れにならずに、「赤裳垂れ引きいにし姿を」(立ちて思ひゐてもぞ思ふくれなゐの赤裳垂れ引き)という古歌は露骨に感情を言っただけのものであるが、それを終始お口ずさみになって物思いをあそばされた。
— 真木柱 『源氏物語』 青空文庫
男子は広帽をかぶり赤裳を着け、すこぶる異装をなす。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
「吾妹子が赤裳の裾の染め湿ぢむ今日の小雨に吾さへ沾れな」(巻七・一〇九〇)は男の歌だが同じような内容である。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
○山吹のにほへる妹が唐棣花色の赤裳のすがた夢に見えつつ 〔巻十一・二七八六〕 作者不詳 この歌は、一首の中に山吹と唐棣即ち庭梅とを入れてそれの色彩を以て組立てている歌だが、少しく単純化が足りないようである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
それにも拘わらず此歌を選んだのは、夢に見た恋人が、唐棣色の赤裳を着けていたという、そういう色までも詠み込んでいるのが珍しいからである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫