霜夜
しもよ
名詞
標準
frosty night
文例 · 用例
山霧深うして記号標の芒の中に淋しげなる、霜夜の頃やいかに淋しからん。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
凍結した霜夜の街を駆け行く人力車の車輪の音――またゴム輪のはまっていなかった車輪が凍てた夜の土と砂利を噛む音は昭和の今日ではもうめったに聞くことの出来ないものになってしまった。
— 寺田寅彦 『追憶の冬夜』 青空文庫
凍てた霜夜の土で想い出すことがもう一つある。
— 寺田寅彦 『追憶の冬夜』 青空文庫
そして過ぎ去った青春の夢は今|幾何の温まりを霜夜の石の床にかすであろうか。
— 寺田寅彦 『凩』 青空文庫
動くは逢見たき欲よりなり、騒ぐは下に恋しければなり」 女は暫時※惚として、そのすゝけたる天井を見上げしが、蘭燈の火かげ薄き光を遠く投げて、おぼろなる胸にてりかへすやうなるもうら淋しく、四隣に物おと絶えたるに霜夜の犬の長吠えすごく、寸隙もる風おともなく、身に迫りくる寒さもすさまじ。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
けふの霜夜の空に冴え冴え、松の梢を光らして、かなしむものの一念に、懺悔の姿をあらはしぬ。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
これで対照されていいと思うものは冬の霜夜の辻占売りの声であった。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
落葉を浮かべて、ゆるやかに流るるこの沼川を、漕ぎ上る舟、知らずいずれの時か心地よき追分の節おもしろくこの舟より響きわたりて霜夜の前ぶれをか為しつる。
— 国木田独歩 『たき火』 青空文庫
作例 · 標準
霜夜の静寂の中で、遠くを走る電車の音だけがはっきりと聞こえてくる。
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厳しい霜夜から家畜を守るため、納屋の温度管理には細心の注意を払っている。
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「今夜は霜夜になりそうだから、火の用心を怠らないようにね」と近所の人と挨拶した。
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