東走
とうそう
名詞
標準
文例 · 用例
信長の本能寺に弑せらるゝ、光秀の小栗栖に刺さるゝ、義貞の敗績に於ける、義経の東走に於ける、皆罪過なくんばあらず。
— 石橋忍月 『罪過論』 青空文庫
之に加ふるに北は上毛なる赤城、武尊の一大山脈、蜿蜒大蛇の走るが如く、小川戸倉の間を過ぎ、更に東走して岩代の國に入り、燧岳駒ヶ嶽の大山脈に連れるより、南は鹽原高原の連山、連綿として那須野の高原に君臨するに至る迄、一望則ち盡さずと言ふ事なし。
— 田山花袋 『日光山の奧』 青空文庫
この輩が学者の本色を忘却して世変に眩惑し、目下の利害を論じて東走西馳に忙わしくし、あるいは勤王といい、また佐幕と称し、学者の身をもって政治家の事を行わんとしたるの罪なり。
— 福沢諭吉 『学問の独立』 青空文庫
このとき也、風雅君子、東走西奔、遊観にいとまあらずとす。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
その更に向ふは茫茫たる吉林省の曠原となり、浦塩斯徳に向ふ東支鉄道が東走し、長春に赴いて満鉄本線に連続する東支鉄道が南走してゐる。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
玉川の渡を渡って、また十丁ばかり、長堤を築いた様に川と共に南東走する低い連山の中の唯有る小山を攀じて百草園に来た。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
午前中は、英国南端デボンシャー州の南岸に沿いて東走す。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
甲信武甲の国境を東走して来た秩父山脈は、どの道この辺でこれ位な高度の山を掉尾に振い起して、武蔵野に君臨せしめなければならない筈だ。
— 木暮理太郎 『秩父の奥山』 青空文庫