来利
らいり
名詞
標準
文例 · 用例
元来利口で勇気のある男でしたから、盗坊の仲間では、だんだん出世をしまして、鬼童丸が源頼光様に殺された後には、自分が仲間の大将になって、名を改めて、みぞろが池の多能丸と言って、都近くの家を荒しておりました。
— 菊池寛 『三人兄弟』 青空文庫
元来利彦氏のお稽古は、翁が自分の芸の後継者と思っていたのであろう。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
元来利秋は農兵を忌みきらって、兵は士族に限るものと考えた人であった。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
処が之は元来利潤追求を唯一の目標とする処の資本主義の要求自身に矛盾するものでなくてはならぬ。
— 戸坂潤 『現代唯物論講話』 青空文庫
舞子や、たいこ末社まで取巻に連れ込んだのは、これは何か偶然の達引か、そうでなければ、転んでも只は起きない例の筆法で、この一座のげい子、舞子、たいこ末社連のうちに、将来利用のききそうな玉があると見込んでいることかも知れません。
— 新月の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
独り進歩党の領袖として、操守堅固の壮年政治家として議院の内外に高名なりし尾崎行雄氏が十数年以来利害苦楽を共にせる政友に別れて、一人の知己を有せざる政友会に投じたる行動の如きは、一個未了の疑問として政界に存在せり。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫
原來利章程の家の功臣を殺したら、徳川家に不調法として咎められはすまいかと云ふことは、客氣に驅られた忠之にも、微かに意識せられてゐたが、此訴が江戸へ往つたとすると、利章は最早どうしても殺すことのならぬ男になつた。
— 森鴎外 『栗山大膳』 青空文庫
原來利章も我慢強いが、忠之も我慢強い。
— 森鴎外 『栗山大膳』 青空文庫