倉
くら
名詞
標準
文例 · 用例
僕が居なくなってから二十日許り経って十一月の月初めの頃、民子も外の者と野へ出ることとなって、母が民子にお前は一足跡になって、座敷のまわりを雑巾掛してそれから庭に広げてある蓆を倉へ片づけてから野へゆけと言いつけた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
しかるに、この仮名は初のうちは相当正しく音韻を表わしたであろうが、院政・鎌倉時代から室町時代と次第に音韻が変化して行った間に、仮名と音韻との間に不一致を来し、仮名が必ずしも正しく音韻を代表しない場合が生じた。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
支那人が漢字で日本語を書いたものと西洋人がローマ字で日本語を写したものとが、その重なものであるが、支那人のものは鎌倉時代のものも多少あるが、室町時代のものはかなり多い。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
かように、種々の音が同音に帰した結果、同音の仮名が多く出来、鎌倉時代に入ってその仮名の使いわけすなわち仮名遣が問題となるにいたったのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
かように変化した形は鎌倉時代以後口語には盛に用いられたのであって、それがため、室町時代には動詞の連用形が助詞「て」助動詞「たり」「つ」などにつづく場合には口語では常に変化した形のみを用いるようになり、また、助動詞「む」「らむ」も「う」「ろう」の形になった。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
ただし、クグは鎌倉時代以後、漸次キ・ケ・ギ・ゲに変じて消失した。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
以上二種の変化は大体鎌倉時代には完成し、室町時代には既に長音に化していたもののようである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
火夫の走り、車輪の※り、群鴉の喧號する巷の中で、はや一つの胡弓は荷造され、貨車に積まれ、さうして港の倉庫の方へ、税關の門をくぐつて行つた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫